サラマンカ滞在記

3週間ほどのサラマンカ滞在について綴るブログ

サラマンカに行こう その① 到着編

ひょんなことから僕はスペイン・サラマンカに行くことになりました。

 

サラマンカ大学の研究室にお世話になろう、という話が出たのは今年の2月ころでした。途中就活を挟んだり、初海外だったのでパスポートを取得しに行ったり、教授が普通に留学の話を忘れていたりといろいろありましたが、この度ついにサラマンカに来ることになりました。今回は日本からサラマンカまでの往路の話について書いていこうと思います。

 

 

 

 

交通手段の確保

今回は僕にとって初海外でしかも1人ということもあり、成田-マドリード直行便とマドリード(バラハス空港)-サラマンカ直行バスの直行コンビの組み合わせで現地に行くことにしました。多分これが一番早いと思います。

Avanzabusの予約については長くなるのでまた別の機会に紹介します。

ちなみに成田-マドリード直行便の場合、成田空港は第2ターミナルから、マドリードのバラハス空港は第4ターミナル着になります。

 

マドリード-サラマンカ間はバスで行くって書いてあるのに何で見出しの方には高速鉄道Alviaって書いてあるんだ?とお気づきになられた賢い皆さんは、何かを察しながら読み進めていってください。

 

搭乗までの流れ(成田空港)

無事成田空港第2ターミナルに辿り着けたのならば、3階の国際線出発ロビーへ向かいましょう。チェックインカウンターがズラリと並んでいると思うので、向かって左の方にあるDカウンターを目指します。

 

f:id:elmundo26:20190922025402j:image

チェックインを済ませ荷物を預けたら保安検査と出国審査です。なんと出国審査は顔認証システムで自動化されており、パスポートの写真と照合してゲートが開く仕組みになっていました。今の技術ってすごいですね。(現役理系大学院生並感)こちらのゲートを使うと、特に希望がない限りスタンプは押されないみたいです。僕はこの時ちょっとテンションが上がっていたので、特に理由もなくスタンプを押してもらいました。

 

 出国手続き後のエリアは想像以上に広く、時間はいくらでも潰せそうな気がしました。ここでは適当にコーヒー飲んだり写真撮ったりして時間を潰し、30分前に搭乗ゲートに行って優雅に出発を待つ理想的なムーブをキめましょう。というかキめました。ここまでは理想的な動きですね。

 

地獄と化した成田空港第2ターミナル

僕の成田空港出発予定日は9/9でした。

そうです、台風15号が千葉県を直撃した日です。

 

幸い空港近くのホテルに前泊していたので空港には問題なく辿り着けましたが、クルーも問題なく空港まで辿り着けるとは限りません。

思えば空港まで向かう道路がガラガラだった時点で察するべきでした。あの時の僕は(ホテルの送迎)バスは普通に走ってるしいうて大丈夫やろ~くらいにしか思っていなかったのです。

 

出発予定時刻。ゲート、開かず。

 

30分を過ぎてもアナウンスは無く、何が起きているのかは全く分かりません。

 

1時間経過。飛行機のエンジンはまだ動いています。燃料代もったいなくね?

2時間経過。出発ロビーには、アナウンスも何の動きもありません。ただ、いっさいは過ぎていきます。

3時間経過。流石に現地でのバスに間に合わなくなると判断した僕は、ここで滞在先の教授に連絡しバスをキャンセルすることにします。

バス会社のHPは、何故か往復両方か復路のみのキャンセルしか出来ず、また言語設定は英語に変えてもほぼスペイン語のままというとても親切な設計になっていました。きっと僕に「英語に甘えることなくスペイン語を使いなさい」という厳しくも愛のこもったメッセージを伝えてくれていたのでしょう。郷に入りては郷に従えというやつですね。まだ郷には入れていないんですけれども。

f:id:elmundo26:20190922025547j:plain

暇なので写真を撮ってました

4時間経過。近くのカフェで一服。ここで出発予定時刻が17:30に変更になりました。ところでアナウンスなしで予定を変更されるのって中々スリルがありますね。

 

17:30。ゲート、開かず。

クルーがどこにいるか分からないという声が聞こえてきて爆笑。

f:id:elmundo26:20190922025624j:plain

台風の影響で出発は12:55に変更されていましたが、画面には本来の出発時刻が表示されていました。需要あるか???

5時間経過。周りの日本人もスペイン人もみんなキレています。状況を聞きに行った人曰く、クルーはこっちに向かっている最中でいつ着くかも、いつ出発できるかも分からないとの事でした。まぁ台風あったし仕方がないよなぁ。ところで出発17:30の根拠って何ですかね。

 6時間経過。台風一過の夕焼けは嘘みたいに綺麗でした。ここで当日のサラマンカへの移動は不可能と判断し、マドリード空港近くの宿を調べ始めます。海外の宿ってなんかやたらとオシャレですね。

f:id:elmundo26:20190922025744j:image
f:id:elmundo26:20190922025747j:image
f:id:elmundo26:20190922025740j:image

7時間経過。流石にお腹がすいたのでミ○ストップで焼きそばを買います。ロビーのテレビはグルメ番組を流し続けています。やめろ。

8時間経過。この頃になると流石にこれもう飛ばないやろ、という雰囲気が漂い始めます。が、仮にフライトがキャンセルになったとしても、台風のせいで陸の孤島と化した成田からは脱出することができません。

この日は台風の影響で全ての交通機関がストップ、しかし一方で滑走路は使えるため飛行機は次々と到着し、成田空港は既に人で溢れかえっていました。幸いこちらは出国審査後のエリアなので、むしろ人はガラガラになっていましたが、ひたすら待ち続ける以外の選択肢は存在しない状況は一緒でした。しかもこちらはいつ飛ぶか分からない以上、適当な場所で寝る訳にもいきません。

誰一人うめき声もあげず、動きもせず。成田空港第2ターミナルは静かな地獄と化していました。

 

f:id:elmundo26:20190922030103j:plain

通路には足を伸ばせる椅子があります。この時は寝ることはできませんでしたが。

8時間半経過。機長、到着。「皆さんをマドリードまでお連れします」との声に拍手が起こります。何でもいいから乗せてってくれ。行先ならどこでもいい。 

こんなはずじゃなかっただろ?と歴史が僕を問い詰める中、搭乗準備が進んでいきます。

 

f:id:elmundo26:20190922025908j:plain

INDEFINITE(未確定)の状況にも終わりが見えてきました

 10時間経過。搭乗、開始。本来の出発予定時刻から12時間遅れです。この状況でなおも飛ぶことを決意したイベリア航空に拍手。

 

f:id:elmundo26:20190922025942j:plain

 

イベリア航空 成田-マドリード直行便

僕が乗ったのはエコノミークラスでした。国際線とだけあって機内は綺麗です。

 

f:id:elmundo26:20190922020319j:image
f:id:elmundo26:20190922020322j:image
f:id:elmundo26:20190922020315j:image

座席には既に毛布と枕が配られていましたが、動かせるヘッドレストがあったので枕を使う必要はありませんでした。座席モニター下にはUSB充電口もあって便利です。この座席モニターは英語かスペイン語しか選択できませんが、某バス会社と違ってちゃんと英語が表示されます。ありがてぇ。

出発して1時間くらい経ったころに機内食が配られ始めました。

 

f:id:elmundo26:20190922020413j:image

米が入ってるのがあったのでそちらを選択。米にパンが付いてくるバグが発生しました。米は正直微妙でしたが、鶏肉とかは普通においしかったです。

また機内は有料ですがwifiが使えます。1時間40MBで9ユーロ(今のレートで1000円ちょい)です。高ぇよ。しかし滞在先の教授に現在の状況を連絡しないといけなかったので、断腸の思いで購入。メールを送り明日早朝の電車を調べた後は死んだように眠りました。(残念ながらサラマンカ行きのバスは午後からしかありませんでした)

  

しばらくして起床。気づいたら12時間半あったフライト時間が残り1:30になっていました。(本当は14時間くらいあったはずですが短縮されていました。イベリア航空の本気に拍手。)

 

f:id:elmundo26:20190922020612j:image

なんかもったいない気がしたんで映画(ボヘミアンラプソディ)を見始めます。少しして朝食が配られ始めました。この時は現地時間だと朝の4時くらいです。

 

f:id:elmundo26:20190922020701j:image

これが朝食です。味は普通です。スペイン人CAさんから問答無用でオレンジジュースを渡されます。(本当は選べます)もう一つカップあったんでコーヒーでももらえるのかな?と思いましたが普通に回収されました。まぁNo hay problema.(問題ないです。)

f:id:elmundo26:20190922020855j:image
f:id:elmundo26:20190922020917j:image

これ、今どの辺を飛んでいるのか見ることが出来ます。3Dビューにも対応してました。


f:id:elmundo26:20190922020925j:image
f:id:elmundo26:20190922020858j:image

現地時間朝5:30。ようやくマドリード・バラハス空港に到着です。

早朝だったのでイベリア航空搭乗客以外、他に誰もいません。人の流れに着いていけばいいので全く迷う心配はありませんでした。

入国審査は、審査官が「フーン...ナリタ...」と呟いただけで何も聞かれませんでした。この時僕は同じ便に大量に乗っていたサッカーキッズ達の間にいたので、「こいつは英語もスペイン語も喋れないな」と思われたのでしょうか。何にせよ出国も入国も手続きがスムーズなのはいいことです。No hay problema.


f:id:elmundo26:20190922020909j:image
f:id:elmundo26:20190922020921j:image

荷物の受け取りにはこの地下鉄に乗って行きます。ターミナル間の距離が長いみたいです。
f:id:elmundo26:20190922020902j:image
f:id:elmundo26:20190922020906j:image

地下鉄から降りたら、この近代的な空間で荷物の受け取りです。モニターに表示されているTOKYO/NARITAが目印です。

 

さてここからは地下鉄に乗ります。スペイン国鉄であるRenfeの文字を探して行きましょう。案内所の人たちは英語が通じたのでサラマンカに行きたいと伝えて乗車券を購入します。なんかバーコードみたいなのがあるので、それを改札のいかにも何か読み取りそうな所に押し当てると案の定開きます。

f:id:elmundo26:20190922021033j:imagef:id:elmundo26:20190922021049j:image

これが地下鉄です。故郷を思い出させるボタン開閉式でした。とりあえずこれで終点のマドリードまで行きます。どうでもいいですけどこの時間帯はありえん冷えるので、朝方に到着する場合は少し厚手の服を着た方が良いと思います。

f:id:elmundo26:20190922021135j:image
f:id:elmundo26:20190922021132j:image

6:50。Madrid chamartin駅へ到着。そこそこ大きい駅で、フリーwifiもあります。

サラマンカ行きの電車は8:55発なのでまた2時間待ちます。早朝で店も開いていなかったので、自販機で適当なサンドウィッチを買って待ちました。

 

f:id:elmundo26:20190922021357j:image

スペインはイギリスとほぼ同じ緯度の割にタイムゾーン中央ヨーロッパ(イギリスより1時間進んでいる)にあるので、7:50ごろにようやく明るくなってきました。

 

高速鉄道Alvia マドリード-サラマンカ
f:id:elmundo26:20190922021354j:image
f:id:elmundo26:20190922021403j:image

8:55。高速鉄道の一つAlviaに乗ります。自動改札的なものはなく、切符を直接カウンターにて見せます。写真を撮り忘れましたが、車内は結構綺麗でスーツケースを置く場所もありました。全席指定席で、僕の場合向かい合った4人席の1つに座ることになりました。気まずい。

案の定他は全員現地の人でした。向かいに座っていた綺麗なチャンネーに隣のおっさんが絡みはじめ、チャンネーがだるそうに“Si....Si....”(ええ...ええ...)と言っているのを横目に真顔で論文を読んで威嚇しましたが、睡魔に耐えきれず寝てしまいました。

 

f:id:elmundo26:20190923045222j:image

10:45。15分遅れでサラマンカ駅に到着。滞在先の教授が迎えに来てくれていたので車で寮へ向かい、無事サラマンカへの往路は終わりを告げました。死ぬほど疲れた。

 

続きはまた次回以降の記事に載せようと思います。¡Chao, hasta luego!